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グロリアスの災難
「杖を突きつけるのは止めるんだ。君は本当にシャレにならないということを自覚してくれ」
頬にグリグリと杖を突きつけて燈火の席に着いて我が物顔だったグロリアスにチョットづつ魔力の出力を上げていく。
グロリアスは錬金術師の前に魔法使いでもある為、ココ最近のクレアのことを知っている。
ティアマトを手中に収めた事、試験さえ受ければ星座に届きうるということも。
そのクレアがガチギレでイライラした状態だ。
杖を突きつけられたら生きた心地がしないだろう。
「お、落ち着いてクレアさん。グロリアスさん、説明してくれますよね?その席からどいて、ね」
「は、はい。………バケモンだらけじゃねーか」
ギンっとソフィーの瞳に星が浮かぶ。
星読みを発動したのだ。
覚醒しているため、全てを先読みして殺そうと思えば誰だって殺せるその力を前になすすべは無い。
未来を見る力と、全てをぶっ壊す風の力。
その2つが敵意を向けてきて勝てる相手もそうはいない。