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課題と不満
「素材はそこらにあるはずです!見て感じて採取しますよ!」
「錬金術士の基本じゃな。ほれ、どうしたどうした。ほうけている余裕は無いぞ」
「うぇぇ、スパルタです」
「が、頑張ろう!これも錬金術士になる為なら」
「あ、あの!採取に魔法は使ってもいいですか」
「うん、使えるものはなんでも使って!……今回は必要なら道具も貸すよ。いえ、取引に応じます!」
「取引。商人みたいな事を言うんですね」
「実際、道具を作ってるだけじゃ生きていけないしね。交渉する場面は必ず出てくる。人に全てを任せていた結果が、君達の統括会での扱いだったんじゃないかな?」
「…………俺には交渉材料は無いから不利じゃないか」
「手札を増やせばいいんですよ。もう、何もかも教わりたがりなんですから」
「なっ、そんなんじゃない!」
「ウフフフフ、はい。レシピはコレです。各自持っていってください」
「『魔除けのお香』?」
「え、私のは『鋼の真鉱石』だよ?」
「ええ、それぞれ違います。各自作れたら私の元に持ってきてください。あとは何とかしますので〜」