最悪なパターン
「自分のホームなはずなのに防衛をしないといけないなんて」
「…………ん?」
燈火さんがなにかに思い当たった様で戦闘時の、それもかなり窮地の時の表情をしています。
陰陽局を起点にしたいのですが、登録者以外入れないようにするセキュリティを付けたいところ。
一難去ってまた一難は勘弁して欲しいところ。
「咲様、ひとつ聞いてもいいでしょうか」
「うむ、許す」
「……この辺で封印溶けてたりしないですよね?」
「…………あ」
燈火さんが苦々しい顔をしていた理由が分かりました。黄色の魔法使いとしての半身をこの地に封印していたんでした。
平時なら特段問題にはならないことかもしれませんが、こんなに治安が荒れているとなると、利用しようと企み封印をとく輩が出てきてもおかしくはありません。
「で、でも、そんなに簡単な封印じゃないはずです」
「自我は既に消滅しているよ。アレはね。しかし、力はその場に残っていたんだよ」
「…………全上級雷魔法が誰かの手に渡ってる?」
「ねぇ、物騒な話してるところ悪いんだけどさ、まだ休めない?」
「ああ、白夜。ごめんなさい。燈火さん、ひとまず置いておきましょう。考えるのは守りを固めたあとです」
「わ、分かった。はぁ、最悪な展開かもしれない」
「気を取り直して……錬金術師達よ、出番ですよ!」
そう言って可愛い生徒たちに向き直るとゲンナリした顔をされてしまいました。
解せないのですが……。