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どうやらマリーは素晴らしい個性をお持ちですね。
それにしても、
「ミラクル?」
「なんじゃ」
やり遂げたと言わんばかりのドヤ顔を披露していだってますが、私と彼とで評価がまるで違うことを教えなければなりませんね。
「人は使い潰すものではありませんよ?」
するとミラクルは想定ないだったのか、余裕な態度です。
「お前の庇護下では、な?」
「あー、そういう事ですか。でもやり過ぎには変わらないけど」
「どゆうーこと?」
ミラクルが私を指さして言う。
含みのある言い方。
燈火さんは何かを察したようで、呆れた様子。
白夜は分からないことがあれば直ぐに聞けるといういい子ですね。
私も白夜と同意見なのですけど。
「錬金術士がフラスコを出た後、まぁ、ティア程じゃないにしても、ティアレベルの1歩手前位の腕前は持っていてもらわないと舐められるだろう。それこそお前が言ったように使い潰される」
「そんな事……」
そんなことはない。そう言いたかったが、私はどうして錬金術学園フラスコを設立しようと思ったか。
統括会や、魔法会での立場の弱さ。
必要性に対しての見聞の狭さ。
それを目の当たりにしたからではなかったか。
何も言い返せずにいると、ミラクルは優しい声で言う。
「厳しく行くぞ?」
「程々にね」