出来ないこと
「こんなふうに変わってしまった」
「神秘的な力は強大故に秘匿されていたわけだ。失敗だったな」
「………なら、この状況もどうにかしますよ」
「どうにかって?具体的には?」
「そ、それは……」
「そこに期待はしてないよ。君の追う責任でもない。勝手に落ち着くところに落ち着くだろうし」
「………ねぇ、黒霧と関係ありますか」
「察しが良くて助かるよ。戻るよ」
「はい」
「あ、先生!戻ってきたんですね!!」
「ど、どうしたのマリー」
「あ、あれ」
「な、なんで!?ミ、ミラクル!?なんでみんな倒れてるの!?」
「ん?おお帰ったか」
「ただいま。じゃなくて、理由!」
「お前さんと同等の錬金術をさせただけだぞ?それも簡単な初歩だけ」
「私は自分の魔力を使ってないから出来てるんです!」
「ああ、みんな魔力スッカラカンじゃないですか!」
「ティア、私には錬金術の学が足りてなったようだ。あとミラクルを信用しすぎた。すまなかった。応急処置はしているから皆疲れて寝てるだけだ」
「良かった。……マリーも同じ事をしてたんですよね?」
「そうですよ」
「よくバテませんでしたね」
「えっと、ちょっとズルして……」
「ズル?」
「私、宝石に魔力を貯めれるんですよ」