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声
「それで、誰に会うんですか?嵌めよって言うんなら消し炭にしますよ」
「しない、しないから!2頭のドラゴンの口をコッチに向けないで!!」
連れられたのは表世界。てっきり裏で会うものてさだと思っていたので、拍子抜けしました。
一体どんな化け物と対峙しなければならないのかと内心身構えて居たのですが、杞憂だったようです。
日本でも有名な建築物、金閣寺の前まで来ました。観光客がワラワラといて、お忍びで〜なんてとても無理そうなのですけど。
「ママ、ここ凄いね」
「え?ええ、人多いですよね」
「え?そうじゃなくて、魔法使いの数だよ。魔法使いか分かんないけど、そういう類の人が多い」
「空?」
「違います、違いますから!!」
「へぇ、威勢のいいお嬢ちゃんじゃないか」
ミルクとショコラを使った最大限の魔力探知をすり抜けられた。
真後ろに立たれ振り向けば、しかし、誰も居ない。
「居ない……いえ、存在が希釈させていますけれど、居ますね。誰なんですか!?」
「ちょっと、ママ!声大きっいって!!」
「白夜、よく見なさい」
「え?はっ……裏世界?いつの間に……」