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檻の鳥
「はい、続けます」
「あっ、ごめんなさい」
「あくまでも私達は直接的には関わりません。大事な生徒を危険な目には合わせられないですからね」
もし、こんなところで死なれてしまったら本来の目的である目となり耳となり、師匠の情報収集させると言う目的が果たせませんからね。
もう分かりましたもん。1人や2人で見つけられないって。だからこそのこの学園設立。
早く立派になって欲しいですが、1人前以上になってもらわなければ直ぐに死んじゃいますからね。経験値を貯めたいのです、安全に。
一通りの説明が終われば、生徒達が顔を見合せて困惑と不安が入り交じっ表情をしています。どれ、何故か聞いてみましょう。
「何を不安がっていますか?」
「話が大きすぎる」
「こういうのって統括会だとエリートが受けてた感じだよね」
「うん。嫌な思い出だけど、自分達は何もしてないくせにこんなの見たとか言ってきたんだよね」
「……いざ、自分たちの番となると、怖い」
「なんて弱気……」
「仕方ないだろ。俺たちは檻に居たようなものだし、外を知らないんだから」