日本の抑止力
「意識が飛びかけたよ」
「座ってください。今は本当に何も無くて出せるものもなくて申し訳ないですが」
「ティア、そんな奴に出すものは無いぞ。要件次第ではここで消し炭になるんだからな」
「ハハハ、怖いっすよ……。起源の魔法は知ってるよな?」
「えっと、ミホさんの『移動』がそうですよね。確か……概念的な物を発現させることの出来る力、でしたっけ」
「まぁ、大体そうだね。厳密に言えば魔法じゃない超能力に当たる。魔法は体内の魔力を使うのに対して『起源の魔法』はその事象の始まりを内包する。つまりは事象その物になることを指す」
「わざわざ前置きをするって事は起源の魔法絡みですか?陰陽局の残党がまだ懲りてないのですか?」
「ち、違う!違う!!だから、その物騒な物をしまえ!コホン、日本に置いて隠しきれない自体になってるし、ネットにもある事ないこと拡散されてしまってる」
「一般の人も魔法については認知してますよね?」
「ティア、それは半信半疑と言ったところだ。現代技術においてそれっぽい(・・・・・)ってのは作れてしまうからね」
「そうそう、信じたところで使えない人達にはメリットもければ、国が大々的に魔法は有りますと言ってる訳でもない。まぁ、問題はそこじゃなくて」
「日本の治安維持組織では対処出来ないという事でしょ?」
「……言い難いんだがティアが陰陽局を解体したことによって日本における神秘に対する抑止力は無いに等しくて、今日本で暴れ回ってる起源の魔法に手も足もでてないんだ」
「私に言う必要ありますか?私知りませんよ?」
「統括会に依頼すればいいしね。何がしたいの?」
「俺に行かせてくれないか?」