クレアと師匠
「人は生まれた時に役割りは与えられている。私の一族はそう言っていた」
「そういえば、クレアちゃんってまだまだ子供ですよね」
「ん?」
「普通なら家族といる年齢だなって」
「そんなこと言ったらティア組は誰1人親元に居ないわよ。私は魔力量がとても少なかった。それは魔法使いとして致命的だった」
「クレアちゃんって凄い魔力量だよ?」
「へぇ、白夜は魔力量が見えるのね」
「へっ、何となく、そう、なんとなくだよ!えへっ、えへへっ!」
「……はぁ。魔力量は今は多いわね。大いにティアのお陰だけどね」
「えへへっ!照れちゃいますね〜」
「話を戻すわ。小さい頃はそれはそれは認められたい気持ちと見返したい気持ち。そして、誰も信じられない気持ちでいっぱいだった。少ない魔力でできる限りの事はしたわ。それが幸いした。正義感が先行していた幼少期の私は師匠と出会えたの」
苦笑いとため息。
「今思い返しても烏滸がましいけど、師匠はなんでそこにいたのか分からないけど、『運命写しの水鏡』の島に居たの。私たちの一族もそこに居た」
「それは何ですか?」
「確か、一定以上の何かしらの条件を達成した魔法使いにしか使えない魔道具、だったかしら」
「なるほど、気になりますね」
「まぁ、置いておいて。そこで私の一族は師匠に魔法を放った。それを咄嗟に防いたの。まぁ、失敗して師匠が結局助けてくれたけどね……」