魔装ティアマト
「クレアちゃん!大丈夫ですか!?一瞬だけ台風真っ只中みたいになったんですよ!?」
「ええ、無事よ。ティアマトがアンタを人外だと評しただけね」
「ん?よっぽどクレアちゃんの方が人並み外れてませんか?」
「何言ってんのよ」
「いやいや、大袈裟じゃねーぞ。まさか自分の格好自覚してないのか?」
「格好?なんの事よ」
「もうクッタクタッス。はい、『水鏡』。自分の姿を見てみるといいッスよ」
ミホさんがよろよろと今にも倒れそうになりながらも、言葉では説明しにくいと判断し、水面の反射による鏡をクレアちゃんに見せるように作り出してへたり混んでしまいました。
ラーシェ、アーシェが魔力譲渡をして、水鏡を維持しています。
鏡に映ったクレアちゃんは、遠目からでも分かるオーラを纏っています。それは可視化出来るほどの膨大な魔力。その魔力量はきっと、ティアマト分がそのままクレアちゃんの魔力量に上乗せされている様です。
それも凄いですが、物の性能と性質を見るモノクルを通すと今のクレアちゃんがいかに凄いかが分かります。
白基調の黄緑色の優雅なドレス姿。変に飾り付けないことによってクレアちゃんをより一層の美しさを引き出しています。
「……存在していたんですね」
「なんの事?」
「『魔装』ですよ。その魔法はもはやおとぎ話の伝説の魔法です」
『ふふふ、どう?凄いでしょう?』
突風が吹き、鈴のような声が響く。その声はクレアちゃんの後ろにただずむティアマトからの声でした。
頭を撫で撫して自慢のわが子の様に見せつけるように微笑んでいます。