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青の由縁
精密なコントロールで無駄のない風の魔法と雷の魔法を無意味にする大規模魔法をミホさんが繰り出した。
ミホさんの魔力の全てが乗っているこれが最後の魔法になる。
無から有を生み出す。元々そこになかったものを作り出すのは神の所業だ。魔法使い以外には。
魔法使いには魔力が宿る。その原理も仕組みも解析仕切ってるとは言いにくい。それでも、創り出すことは出来る。膨大な魔力を使って少量の有を産む。
今、目の前の津波には一体どれほどの魔力が内包され、どれだけの魔力量が必要とされるのか、想像もできない。
「……全く、遙か高みを見せてくれる」
「悔しいですね、クレアさん」
「ええ。……行くわよ、着いてきなさい」
「踏ん張りどころだ」
「皆さん、最後の作戦です」