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ソフィリア
「あの」
「ひゃあ!?ひっ、ひぃい!!」
「何をそんな怖がってるんですか!?」
「ティア・愛音・シャドールさんですよね?」
「あら、ご存知で?」
「二頭の龍を従えて空を破裂させる破滅の錬金術師の」
「ちょっと待って。え、なんと言いました?」
「破滅の錬金術師」
「嫌ですよ、そんな物騒な2つ名」
「みんな言ってますよ」
「まあ、いいか。聞きたいことがあるの」
「な、なんでしょう」
「……話す度に怯えられるのはやりにくいわ。貴女名前は?」
「え、えっと。私はソフィリアです」
「そう、じゃあソフィー?錬金術についての本の場所に案内してちょうだいな」
「は、はい!あ、あの!!」
「どうしたの?大きい声出して」
「どうしてそんなに強くあれるんですか?」
「強い?錬金術の事かしら?」
「いえ、度胸とか、自信というか……」
「そうね、師匠に悪いもの。ティアにも言ってないんだけどね、私は1度人生終わってるのよ」