みなが認める青
「遅いっすよ、ボス?」
ミホさんはかなり疲れています。彼女が立っている地面はひび割れ所々隆起していて、とても激しい戦闘があったことが伺えます。
ミホさんが青の魔法使いとして、皆に怪訝な目を向けられ、1度力を失っている事で軽視していた人は一定数いました。ミホさんの実力も知らないで。その事に本人は全く気にせず、仕方ないっすねなんて言うけれど、私は怒らずには居られなかったです。
しかし、どうでしょう。こんな危機になって、まぁ、私が招いたようなものですけど、人間よりもはるかに優れたエルフをバッタバッタなぎ倒し、ティアマトを抑えきった『青の魔法使い』を遠巻きに見ていた人は多かったでしょう。1番目立っていましたしね。
青の魔法使いを舐める人は居ない。
「ずっと、見てましたよ」
「えぇ?攻められてるのにそんな余裕があったッスか?」
照れ臭そうに茶化します。私達の真意も分かってて受け止めきれてないのでしょう。
「お疲れ様、流石ね。こんな化け物の相手なんてあんたしか無理だったわ。さて、これからもうひと頑張りしてらうけどね」
「クレアさんは容赦無いッスね、ははは……」
「あら、そうかしら。私は無理なことは言わないのよ?ティアマトの言葉は聞こえる?」
「そんなの聞こえないっすよ」
「普通、そうだよな。こいつも大概訳分からん組に片足突っ込んでるよ」