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ティアマト
結界はNo.だけを押し流した。次元の狭間に押し流し、散り散りにどこかへ飛んでいくだろう。
しかし、「ティアマトは残ってます!」
「なんですって!どーすんのよ!?」
「おい、ティア居るか!?」
バンっとドアを蹴散らさんする勢いで部屋に入ってきたブレットと申し訳なさそうに縮こまるソフィー。
ブレットの行動に青筋立ててゲンコツをお見舞いするクレアちゃんはそれどころでは無いと思ったようで、賢者に駆け寄った。
「残っちゃいましたよ!?」
「まぁ、そうだろうな。統括会はあの守護獣、ティアマトを基礎として特別な魔法で作られとるからな。統括会=ティアマトと言ってもいい」
「……え、どうするんですか?」
「なに、もう一度封印すれば良い」
「………ダメよ!ティアマトは望んでません!」
「クレアちゃん?」
「まるでティアマトの言葉を理解しとるような口ぶりだな」
「は?だって、そう言ってるじゃないですか?」
「……!おぬし、まさか……。フッいいだろう。ティアマトはお主に任せるぞ」
「え、それはそれで違くない?」