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月の化け物
「これはお見事です」
「先生、なんが術者がのうのうと出てきましたけど?」
「人では無い、気を付けろ」
「ハッハッハー!面白事を仰りますねぇ!私は人ですよ」
「月の化け物が!」
「影を拘束することは良い案でした。しかしぃ、1箇所だけに放ったわけじゃありませんので、逆に分かりやすかったですよ。守りが厚いところとしてね」
「……ッ!倒して耐久戦が正解だったわけね……」
「悔やむな。そんなの分かりっこないからな。優秀な魔法だ」
「まあ、お話としては、そこ、通してくださいませんか?」
「何が狙いだ?」
「おとぼけになって。ここに居るんだ。ティアマトに決まってる。手始めにこの建物全てをぶっ壊してもらいましょうね。魔法は死を加速させるだけですから」