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エルフ
「チッ、だいぶ入り込まれてるじゃねーか!」
アトリエの窓から外を見ると黒のローブを被った人達が空間をネジ切って続々と統括会に入ってきている。
「講師陣は善戦してるわね」
「そりゃ、並の魔法使いはここに居ないからな」
その中にはミホさんが居た。とても好戦的な性格になっているのか、高笑いしながら水龍と共に津波を起こして結界の外へ押し流している。
「ありゃ、終わるんじゃねーか?」
「No.にも、化け物はいます。冬桜の様な」
「確かに、あの女は厄介そうね。他にもいるって訳?」
「ええ、沢山。何しろ世界の影ですからね、彼らは」
「あ、津波がはじけ飛んだぞ。なんだありゃ」
物凄い風圧によって津波は全て弾け、水龍を可視化できない何かが襲う。
「あれって、エルフ?」