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VS邪龍
渾身の一撃。再現性は無い。生涯最高の一撃だ。しかし、それをもっても邪龍はその身に受けた呪いは大きく強かった。
風圧に押されながらも大地を割りながらも、そのこの世の穢れはクレアちゃんを見据えていた。
邪龍の体に人の口と様々な負の感情を表した目がたちまち増えていく。
「うげぇ!なんなんだあれ!」
ブレットが剣を地面に突き立てて何とか踏ん張りながらも、クレアの戦いを見ていたが、邪龍の気持ちの悪いパワーアップに少し引いていた。
邪龍に生えた口はそれぞれが呪いを放つ。一つ一つは微弱で、取るに足りない。
しかし、それでも集めて重なれば無視できなくなる。周囲の岩すら触れれば病に掛かり、魔法使いでもタダでは済まないだろう。
「……もう、使うか?コレ」