立場
「ティア、こっからは割と真面目な話だ」
「ティアの方が大事にみえる」
「はぁ、ティアも私の弟子なんだから適材適所ってヤツだ」
「え?私二ーヴァさんの弟子だったんですか」
「自分より格上の弟弟子……」
「ああ、もう!じゃあ、真面目な話の前に、ティアの立ち位置を話しとくぞ」
「は、はい」
「魔法使いは異端を嫌う。それは立場を失うし、命を脅かされるからだ」
「う、うーん。ピンと来ないです」
「はるか昔、歴史で魔女狩りって聞いたことはあるでしょ?」
「宗教のやつでしたっけ、異端審問」
「そう、アレで多くの罪なき人は死んだわよね、あの時の魔法使い達は何も出来なかったの」
「ティア、よく考えなさい。もしあの歴史を魔法使い達が介入したとしたら」
「本物の異端ですね」
「そう、教会は今までの異常を認めることになるし、被害者達は魔法使いに縋り付く。ここに2つの派閥ができたわ。後はどうなる?」
「潰し合い、最悪戦争です」
「そう、魔法使いはただでさえ地球の闇を祓っているのに、非魔法使いに関わってられないの」
「無情、になるしかないのですね」
「力あれば血は流れるわ。そういった過去もある。1例だけどね。だから魔法使いは異端を嫌う」
「……もしかして、私?」
「突出した才能は凡人には異端だ」
「理不尽!」
「だから統括会みたいな組織がある。能力あるものが統べる。政治みたいなもんさ」
「質問です」
「どうぞ」
「色の魔法使いはどういう扱いで、何をしてるんですか?」
「色の魔法使いは世界に七人。うち1つは空白だけどな。で、あの人達は裏世界にある終末時計から神器を受け取った人たちだ。つまり、守護者だ」
「なにから、何を守るんですか?」
「全ての悪意から、秩序を守る。その1つが統括会でもある」
「じゃあ、創成者って?」