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破滅の助長
「話しておかなければならない事?」
神妙な顔付きで言う男。口を開き喋ろうとした時、ゲートが開いて白夜達がなだれ込んできた。
「びゃ、白夜!?なんでここに!?」
「………逃げるのに精一杯だった。………リーナーと色が居ないな」
「訳ありです……」
「ほう、剣聖か。いいだろう、魔導図書館にも伝えておけ。お前達が善意で行った破滅の助長を」
「初めに世界は終わりを迎えつつある。それは決められていて、抗うことでは無い。
世界には表と裏が存在する。人々が何も知らず住まう地として、表世界。魔が巣食う地として裏世界」
「待て待て待て、世界は終わろうとしてます。だから何もせずそれに任せて死ねってか?」
「そうだ。終末時計はゆっくりと確実に進んでいる」
「終末時計……ってなんでしょうか」
「裏世界にある指針と言われているわ。この場所も裏世界だけど、その更に深層にあると言われてる。実際に見た人は居ないとされてるけど。まさか」
「ああ、俺は見た。そして、その場所こそ世界の意思がある場所だ」