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黄金の錬金術士
「くっ、良くて相打ち。1度引きたい」
「ええ!?アナタ剣聖でしょ!?」
「守りきる自信が無い」
「分かった。1度引こう。ゲートを繋いだよ」
「本当は信号機に会いたかったが、仕方ない。想定以上の大物すぎる」
「あれは何?」
「あれは誰?」
「…………信じられないが、記録にある通りなら黄金の錬金術士。また、生涯の最後に創世術士へ成ったと言われた男だ」
「繋いだ、ママの近くに行けるよ!」
「よし、行け!」
「……待ってよ」
「あらあら、まだ自我が残ってるのね。誰かも認識されずに見捨てられちゃって。ねぇ、憎いでしょう、辛いでしょう。目にものを見せてあげなよ。今の君にはそれが出来る」
「ラプラス、止めな」
「姉ちゃん…………誰だ。お前は」
「くっ、魂の乗っ取り……」
「お前は無力だな。着いてきなさい。面白いものを見せてあげるから」