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名も無き1団と
「ミホさんっ!」
「おいおい、何モンだよアイツ。あんなの防げねぇだろ、普通」
「………ッ」
「ん?リーナー?」
「アッハハハ!!傑作だね、その顔。感情を取り戻したの?うんうん、いいねぇ、お友達ごっこ。お前もだよ、どいてよ」
ドンと、肩を押されその衝撃に耐える事もしないでミホさんは尻もちを着いた。
壊れた人形のように家に付いて動かない。
「会いたかったよ」
「だっ、だだだ誰ですか!?貴女!」
「お前は星読みでしょ?知ってる知ってる。他のやつより精度が良いんだってね。あの時の星読みが君なら良かったね」
「どうして……」
「お前に植え付けられた『起源の魔法』が私を半分蝕んだ!体の内側に虫が這いずり回す感覚の中で能力は定着した。その時私の体はぐちゃぐちゃだよ。なら!どうしてって顔だね」
スタスタと歩いてくる女性は敵だと分かるが、敵意が感じられない。でも、その目は憎悪に染まっていて、知らず知らずにクレアちゃんの手を握っていた。
「名も無き1団」
「……済まなかった」
「なら死ねよ」