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冬桜
「言ってた通り、デタラメだね」
「ふふ、でしょう。やれますか?冬桜」
「とーぜん。愛すべき憎悪が滾るよ。さぁ、早く来て。リーナー?」
「人影ありです!」
「ティアさん、一番槍行くッス!『水龍、大滝』」
「あの物量が降り掛かったらもう終わるんじゃね?」
「……色の魔法使いの奥義よ、アレ」
「フフフ」
「なにかしら?」
「悔しそう」
「うっ、そ、そんな事は……」
「油断しない!水龍をしのがれた!?」
人一人に対するオーバーキルの水圧は、全て霧となって視界を覆い尽くすだけに留まった。
霧の中、杖をミホさんに構えたまま、不敵に笑うその人物は、ミホさんが追撃として『移動』を使ってま後ろに回り込んでのパンチも届かなかった。
「あれ?その程度?」
「……これは私の水を壁にしたの?」
「へぇ、魔法理解は高いね。流石は腐っても色の魔法使い。いや、ミホだね」
「………はっ、お前」
「久しぶりだねー、元気してたー?私は地獄にいたよ」