536/989
グロリアスとあの子たち
「というかあの姉弟だけじゃなくて信号機も教え子だったの?」
「……スカーレットの目はメイズの目なんだ。メイズは魔眼開眼したが、その魔眼は強すぎて術者本人を呑み込まんとした」
「なるほど、腑に落ちたわ。魔力が感じ取れなかったスカーレットがなんで魔法使いと一緒にいたのか」
「彼女は適合者だった。魔力が全くなく、それでいて大気から魔力を身体に循環させる体質だった。俺達に、スターゲイザーに会うまではそのせいで病弱だったんだ」
「知り合いだったなら、なんで他人のフリなんて」
「彼女達との約束だった。術後魔法学校へ通わす為に色々と工面した。が、まあ、俺の悪評は聞いての通りだ。だから約束させた。ここここへ通うにあたって今から俺たちは赤の他人だと。その後の彼女達の事は一切知らなかった」
「じゃあ、いくつか疑問はなこるわね」
「疑問ですか?」
「ええ、恩義を感じるならスターゲイザーに居続けるはずじゃない?」
「それもそうね。なにか裏があるかしら」
「知らないの?」
「知らないわ。情報屋なんてやってられなくなったもの」
「私を見ないでください」