終幕、閑話
「その後意識を失って、次に目が覚めた時には師匠と対峙をしていました」
「コイツは『10』に侵食されていたんだよ」
「……リーナー?」
「甘んじて受けましょう」
「フンっ!!」
「グッ……!!なかなかいいパンチですが、まだ軽いんじゃありませんか?」
「『水面に狂喜乱舞は全てを蹂躙する影』、出てよ水流」
「フッ、アッハハハ!あの時とは比べ物にならない!」
「あー、外落ちちゃいましたね。で、ここ一連の出来事の元凶はリーナーだったんですね」
「白の魔法使いもリーナーのせいで失踪したの?」
「さぁ、それは別件でな。あの時、起源の魔法に巻き込まれた通称sは死亡、冬桜は生死不明、青の魔法使い、ミホだな、は、死んだあとストックを用意していた訳だ」
「それが今のミホさんで、記憶が無い理由?」
「そうだろうな、候補にしていた素体はあったんだろう。それに魔力を乗り移して乗っ取った。まあ、そんなところだろう」
「聞かなかったことにしたい」
「無理よ。諦めなさい」
「ニーヴァさん、クレアさんに言い方そっくりですね……」
「だ、だからナニよ」
「い、いえ……」
「なるほど。だからリーナーは遊園地であんなに慌てていたんですね。また、人が死ぬと思ったから」
「1番ショックなのは貴方じゃなくて?ブレット」
「俺か?別に。ただ、どうやって今の更生したリーナーになったかは気になるな」
「そんな事?封印してるのよ」
「何を?」
「『No.』の魔力をよ。今のリーナーなら自力解除もできるんじゃないかしらね」
「俺とお前の合作を破られるのはイラつくな」
「素直じゃないんだから」
「アーシェ、ラーシェはどうする?」
「アーシェは……」
「ラーシェは……」
「「付いて行きます。あの人のように強くありたいから」」
「過去は知りませんでした」
「それでも何も無いし、皆より劣ってる私達を見捨てず教えてくれました」
「初めてでした」
「学校では早々にまびかれてましたから」
「嬉しかったんです」
「楽しかったんです」
「彼の影が闇ならば」
「私達が照らします」
「みんなから守られるだけじゃない」
「みんなから甘やかされるだけじゃない」
「「みんなも守りたいと、そう思ったから!」」
「だってさ」
「野暮だったな」
「ンなの初めっから分かってたつーの。なぁ?」
「なんで貴様が得意げだ?」
「仲間なんすから」
「う、嬉しいことを言ってくれますね……」
「ボロボロね」
「これで勘弁してあげるんだから。ありがたく思うッス」
「はは、ありがとうございました。しかし、水龍と移動の、力は本当に凄まじい。あの時万全のミホさんなら瞬殺されてましたね」
「まあ、アレはね」
「ええ、凄かったものね」
「ひょっとしてあの時より凄いのか?」
「当たり前です!」
「何であんたがそれ言うのよ。おかしいわ」
「皆さんです!それぞれ凄いんです!で、青髪の子は?」
「……さ、さぁな」
「少し、嫌な予感がしますね」