錬金術師ティアのつくる話

力

「賢者と呼ばれてるくらいですから、創成者の事は詳しいですか？」

「残念ながら、魔法に関して知識では誰にも負けるつもりは無いが、錬金術は全くの別物でな、儂はそっちの才能は無かった」

「そうですか、まあ、この現状を見れば何となく分かってはいましたが」

「して、図書室だな。着いてまいれ」

「ねぇ、クレアちゃん」

「なに？」

「この人から魔法教わったら？」

「そんなこと出来るわけないでしょ、ただでさえ私は星座の魔法使いの弟子、恵まれてるのよ」

「教わる事に縛りはないでしょうに」

「……1つ頼みがある。否、2つだな」

「？」

「1つは借りを返してもらうとして、もう1つはクレアに魔法を1つ教える」

「頼み事を聞きましょう」

「ちょっと、ティア！貴女になんのメリットも無いわ！安請け合いしないで！」

「……さっきチラッと奥の部屋を見たんですが、クレアちゃんより魔力が多くて、魔法の威力も高い人がいっぱいでした」

「………それで？」

「クレアちゃんには強くあってもらわなければ行けませんからね。理由はそれです」

「でもっ……！」

「むー、強情ですね。もう、受けました！頼み事を手伝って、さっさと魔法を教わりやがれ！」

「良き友じゃないか。さて、着いたぞ」