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エピソード:リーナー
「お客様、どのような御用で」
「カジノに来た客にそれを聞くか?」
「ですが……」
「はぁ、なに、ちょっと『夜を崩しに』来たんだよ」
「左様でございましたか、こちらに」
「おい、なんの暗号だ」
「裏に住むやつは裏に通ずるんだよ。正面突破とは言ったが、無策で出し抜ける奴らじゃない」
「s」
「はぁい、なんでしょうか」
「信用できるんだろうな」
「勿論ですっ、世から信用されない我々は信用をもって成り立ちますゆえ」
「ならお前たちを信用して1つ教えとく。この雨は魔法によるものだな」
「なぜ言い切れる」
「雨水を確保した。それを錬金術士が使う培養液に入れると反応があった。つまり広範囲の探知魔法だと思った方がいい。奴らは気付いてるぞ」
「ふん、ならちょうど出し抜ける」
「どういうことだ」
「こんばんは、『10』の意志達よ。私はzです」
「同胞か」
「ん?つまりお前もなのか」
「……ああaaだ」
「2文字だっか」
「今は関係ないだろう?」
「そうだな」