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エピソード:リーナー
『10』。世界には裏がある。そこには人が、感情が、心が生み出した『概念』を分けた12の針がある。
それらは各々生まれた経緯の概念を遂行する。
『10』は破壊、本懐。即ち世界を終わられたいのだ。
人に元々備わっている破壊衝動。根源の1つだから目を付けられたら抗えない。
リーナーは目を付けられた。ただそれだけ。
「おい、sとの合流はここだと聞いたが?」
「はい、a。彼は必ず時間より前に来ます。なのに居ない。何かあったと思います」
「チッ……白の代行者の動きは」
「それは、その……」
「なんだ!」
「斥候に出たきりで……」
「もういい、出る」
「き、危険です!」
「アレを手に入れれなければ俺達が危険だ。それに、もう衝動は止められない」
「まずはsと落ち合いたいな。死んでてもいいが、死体を見るまでは行動が縛られるからな……」
下を向き、死んでるのと変わらない人々に金貨をチラつかせ聞き込みをしていく。
「なるほど、地下洞窟へ行ったのか。しかしなぜ。まあ、行けばわかるだろう」