詰まらない自分語り
「はぁ、あのなぁ。ここは談話室じゃねーのよ。本来星の数ほどいる魔法使いが目に見えないほど細い糸を掴んで、それでいてちぎれないように、見えないゴールを目指した果ての場所なの。分かる?」
「分かんないのでいいです。スプラウトさん、人数分のカップあります?」
「……ああ、そうだ。私もあんた達に行っとかないと行けないことがあるんだったわ。青髪の子ね、消えたわ。私アールグレイがいいわ」
「ニーヴァさんはアールグレイと。ソフィーさんと、ミホさん、手伝ってください」
「ほいほーい」
「分かりました。あ、紅茶類は私やるので珈琲お願いします」
「私は、そうね、珈琲かな。って!!逃げれたの!?」
「違う違う、消えたの。魔力の反応はあるから統括会のどっかに居るでしょ。そもそも彼女、ライセンス無いもの。勝手に出入りできないわ」
「……なら、後で探しに行かないと」
「ん?おい、主役のバカ弟子はどこ行った」
「はいはい、主役のバカ弟子ですよ。個人的に弟子にも聞いて欲しい内容なので読んできました」
「あ、ラーシェにアーシェ!久しぶり!」
「「お久しぶりです、ティアさん!」」
「いつの間に弟子とったんだよ。しかも言ってないのか……おい、双子」
「はいっ!」
「な、なんでしょうか!」
「……リーナー」
「師匠、私が……」
「……ふん」
「アーシェ、ラーシェ。私はあなた達ふたりの才能を見込みました。ですが、今から話す話でもし、いえ。私から距離を取りたいと少しでも思ったら言ってください。私のような紛い物ではなく、本物が師事してくださいます」
「……ま、覚悟決めて聞けってことだ」
「皆さん席に着きましたね。では暫しお付き合いを、詰まらない自分語りを始めます」