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名も無き1団
「わ、私何も出来ませんよ!?」
「そう怯えなくてもいいわ」
クレアちゃんのお得意技の風の手でピエロを掴みそのまま風圧で細切れになってきいます。
「驚きました。クレアさんは別格と言ってもいい」
「とある子に追いつく為に必死だったのよ。ティア、安全は確認できてるから壊れる前にその魔法壁、採取しちゃいなさいな」
「うん!!」
「ね、ねぇ、ティアさん」
「どうしましたか」
「ミルクショコラ達でゲートを作り出してここから逃げれませんかね」
「なるほどね。妙案だわ。ティアお願い出来る?」
「…………」
「ダメなのですか?」
「はい、呼び出せもしないんです。存在も繋がりも感じられない……こんなこと初めて」
パリン、ガラスが割れるような軽い音がして魔法壁は崩れました。
「ここの世界が現実世界と同じ様に過ぎているのかも分かりません。急いだ方がいいかもしれませんね」
「引っかかる言い方ね」
「…………あまり考えたくないのですが、狙われていた、その可能性も視野に入れます」
「誰に?」
「最近活発に動いている一団はご存知ですか?」
「…………えっと、『名も無き1団』だっけ」