実践実戦
燈火は自身の半径1m以内に外敵が悪意を持って踏み込んだ時に発動する魔法地雷を発動していた。
案の定燈火の真後ろに突如と表れ、不意を突かれる形となったが、見事にカウンターの形で現れたピエロな様な悪魔のような形容し難い魔物は鋭い爪を振り下ろす前に爆発によって仰け反った。
「燈火っ!」
「ふぅ、初見殺しはこれで無くなったね。うわっ!何アレ気持ち悪っ!」
「ああいうのって倒せないのが相場かね?」
「時と場合による」
「本当に情報屋か?」
「もう引退したよ。今はね」
思ったより素早い動きで、その不気味な顔が燈火達を嘲るように歪ませて迫る。
ブレットが杖を剣に変化させてピエロと打ち合う。
受け切るだけならブレットには造作もない。
隙を作るために、互いにノックバックする弾き方をした。
この戦い方は愚策だ。通常時ならば。
「よくやった『逝かれる烈火』!」
小さな火の粉は徐々に大火へと変貌していき、燈火はその魔法にアレンジを加えた。
常にみていたクレアの『風の手』。
自身の魔法にあそこまで強くなくてもそれを組み込むことで、魔法に明確な『形』を与える事に成功していた。
炎は拳の形となり、杖の動きと連動する。
回避の取れないピエロは炎の拳で燃え盛る。