最悪
「アッハハハハハハハハーーー!!!」
カタカタと骸骨が左右に激しく揺れながら笑い声をあげる。もはや奇声に近い。
「わぁ!凄いですよ!リアルですね!」
指をしてキラキラとした顔で私に報告してくる様子はまるで子供なんだけど、今更「それは違うのよ」とは言えずに引きつった笑みを浮かべてしまう。
「ほ、本当ですね!ささっチケットを買わないとですね!ほらブレット!!!」
見かねたリーナーがティアより前にでて髑髏と相対した。ニコニコしてるけどアレ知ってる。
めっちゃ言い訳とか考えてる時の顔だ。
ブレット呼ぶ声がいつもの3割増し語気が強いし、焦りと怒りが混じってる気がする。
ブレットは髑髏をリーナーと並んでティアに見えないようにしつつ、「ちょっと待っててくれ!」とあたかもチケット買いますよと言わんばかりにティアに声かけをする。ミホと燈火も悟られまいとティアに積極的に声をかけていた。
「クレアさん、クレアさん!」
「ソフィー、ど、どどどうしよう……!」
「多分これは起源の魔法が良くない形でこの世に顕現してしまっている影響です。燈火さんの方かわ詳しいかもしれませんけど」
「うぅ……なんで今なのよ!確かにこんな状況珍しいし、レポート出したら表彰もんよ!?でも今じゃない!!」
「分かりますけど、抑えてくださいっ。何の『起源』か突き止めて封印か攻略か壊すかすれば元に戻るはず……です」
「さて、騙し切れるかしら。どう?」
「……なんとも言えないです。今ここは結界内と言いますか、星読みが効きません。ごめんなさい」
「そう。最悪の場合って、普通に遊びに来た一般人に起源の魔法が定着すること、よね?」
「そうですね、ですからタイムリミットはあるとみた方がいいかもしれません」
「最悪だぁ」