一難
「はい、ちゅーもーくっ!」
「クレアちゃん?」
「なんだよ、歴史的禁忌の体現に向けて話してたってのに」
「相変わらずだね、先生。それよりも………え?」
「あ!なんで!?」
「メイズ、あれ、セレスト、よね?」
「あの、助けてもらいました………」
「なんか急に恥ずかしいわ」
「ええ、そう。本当にそう。レベルが低くて話にならないわー」
「クレアちゃんのそういうの久々に見ましたね」
「…………それより、石に書いてある」
「クレアちゃん、クレアちゃん。読めますか?」
「……読めないわ」
「…………立ち入りるな、去れば災いを逃れる。…………そう書いてある」
「フン、『大破の鉄球』!」
「わー!待て待て待て!!!」
「なっ、止めないでください!」
「止めるわよ!こんな所で使ってみなさい、みんな瓦礫の下敷きよ!」
「え、そんな威力なのを使おうとしたのか?」
「だから止めるの手伝って!」
「それはいけないね、ほう。これが『大破の鉄球』」
「ただの少し小さい鉄球にしか見えないね」
「本当にそんな威力あるの〜?錬金術にそこまでの力は無いはずよ」
「……カッチーン。完全に頭きましたよ!!今すぐ全てを壊してやる!!」
「何火に油注いでんの!!ほら、一旦帰るわよ!」