邂逅
私が裏世界から、フラスコからアトリエに戻った時に、見知らぬ人物が紅茶を嗜んでいた。
その人物は大きく、実際の大きさの何倍もあるように感じられた。最近分かってきたことで、アレは魔力が大きいという事らしい。
「へぇ、ティアはあんな化け物ともお友達ってか?」
グロリアスがその大きい人を見て言った。
畏怖と、なんでしょうか。羨望?が混じった表情でした。
グロリアスは言わばはぐれ者。傘下組と同じ類でしょう。世界を恨んだでしょう。そして、その世界でもてはやされる人をよく思わないでしょう。
そんな彼をどこか可哀想だと思ってしまうのは、傲慢かもしれません。
「グロリアス、私あの人知らないです」
正直に言えば、グロリアスは目をまん丸にして驚きを表現しました。
「その人が新任教師ね。悪い噂が多い人」
グロリアスが何か言い出す前に、クレアちゃんが幼い顔で睨み付けるように言います。
クレアは案じていた。どこの馬の骨かも知れない奴がティアの傍に居ることに。
何が裏があったら、害する目的で近付いてきたら。
燈火の計らいで自由を与えられ、従順なフリをして、保身の為にティアに手をかける可能性を。
そんな思いからクレアのグロリアスに対する態度は、ティアがクレアと出会った時よりも酷いものだった。