453/991
規格外
遠くから様子見をしていたスカーレットが不意に空間を切り裂いたティアに驚いた。コレには驚きという感情が 遅れてやってきたようだ。
「ア、アンタ!」
「あんだよ、スカーレット!」
「錬金術士ちゃんが消えたー」
「はぁ!?何言って……だ」
パックリと空いた空間から2体の白と黒の美しいドラゴンがヌっと出てきた。
パッと見ただけでスカーレットは感じた。
悪寒が全身を包む。全身が拒絶する。
アレは存在してはいけない存在だ。
セレストは何かシンパシーを感じたのかトトトッと駆け寄っていく。
ギョッとして止めようにも体は動かなかった。
「大丈夫だ。落ち着けよ。私の感覚を切ってセレストに比重を置け」
「う、うん……」
「なんなのよ……」
「ミルクショコラよ。ティアの言ってみれば使い魔よ」
「そういうことじゃない……この規格外が……!」