評価
「うーん。板、壁、ドア、あ、光も。……ミルクショコラの転移は……行けそうですね」
ブツブツと独り言を言っているティアを横目に信号機は近くで休んでいた。
「そういえばよ、錬金術士って能無しみたいな扱いだったよな」
メイズが悪気は無さそうに話始める。
聞き捨てならないクレアはムッとした。無意識に杖を握っている。
それを見たスカーレットは慌ててフォローする。
「でも実際は錬金術士に頼る場面は多いわ」
「そうかぁ?」
メイズの懐疑的な反応にスカーレットは内心ブチ切れていた。
(うるせぇよ!黙ってそうだと言っとけクソ野郎が!オメーの為にフォローしてんだぞ!)
スカーレットのそんな心の内なんて知る由もないので、態度は相変わらずだが、セレストは「確かに」と肯定した。
「良く考えれば裏世界に来る時のゲートの管理って錬金術士だよね」
「そうね、主にメンテナンスがメインだけど、中にはティアみたいに探索の助けになる道具を作る人もいるわね」
「そうそう、ティアは凄いんだから!」
(別にティアを褒めたわけじゃないんだけど……)
そう思いつつもわざわざ否定してクレアのご機嫌を損ねる意味もない。スカーレットはハハハとから笑いをした。