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秘密兵器
「現在建設中の錬金術士の学園は思ったよりも入試希望が多くてですね、しかも、錬金術士は適性がないと成れません。そこで、適性が無かった人達には陰陽術を教えて欲しいのです」
「保険扱いか」
「……はぁ、困っちゃいますね。威嚇のためにアレを持ってきますかね」
「やるんだね、ママ!?」
「うん、ミルクショコラ使っていいから持ってきてー」
不穏な会話を残して白夜は移動してしまった。
パッと消えた白夜にどよめく陰陽師。
ほんの少しだけ居なくなり、ガラガラガラとキャタピラが騒音を立てて聞こえてくる。
移動門が開いて現れたのは戦車であった。
「なっ、なんだそれ!?」
もはや誰が叫んだか分からなかったが、その場にいた全員の気持ちは一致していた。
そして、ティアは不思議そうに首を傾げた。