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3人の影
「おい、賢者だぜアレ。滅多に表に出ないことで有名なのにな!」
「それだけ気にかける人物なんでしょう」
「ますますティアが気になるね!」
「呑気すぎよ。いえ、今のうちに遊んでた方がいいかもね」
「おいおい何だそれ。不吉なこと言うなよ。気が滅入っちまう」
「アナタが滅入る所なんて見たことないけど?」
「あれ?そうだったか?ガッハッハッ!」
「はぁ。水の魔法使いも仲間ね……人脈の広いこと」
「うん?でも水の気配は今はしないよ?」
「しない?あの規模の魔法を使って隠密もできるの?シャレになんないわよ」
「いーや、どうやら違うようだぜ?」
「うん、魔力の残滓があるよ。コッチ」
「あっ、ちょっと!」
「行こうぜ、スカーレット」
「もうっ!」