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限度と宣伝
「魔法って本当になんでも出来るんですね」
「何でもかんでも出来るわけないじゃない」
「えっ」
「舞い上がってるわね。そろそろ限界でしょ、ブレット」
「あー、はいはい」
「ま、あとは上手くやりましょうかね」
ミホの水の魔法で、大いに目を引いた一同ではあったが、徐々に魔法が不安定になっていく。
このままでは形崩れた魔法の水が統括会全体にゲリラ豪雨になって降り注ぐだろう。
それを見越したクレアは魔力を貯めていた。
フッとミホさんが事切れたかのように倒れると同時に、ブレットが素早く駆け寄り、ササッと裏へ隠れる。
形崩れた魔法はクレアちゃんが大きな竜巻を空に起こして巻き取った。
そこに燈火さんが、思いっきり雷魔法をぶつけて、全てを光が包んで吹き飛ばした。
轟音と共に静寂が訪れ、燈火さんが空に浮かんでいた。
いつの間にかミルクを連れていた様だった。
「ショコラも居ない……」