一等地
「すごい賑わいですね!」
雲ひとつ無い晴天。統括会は時と場合によって姿形を変幻自在に変えることができるそうです。
どこまでも続く様な露店のシルクロード。そういう道がなんと3本も統括会まで伸びています。
私の知っているお祭りとは似て非なる物。そこらかしこで我こそはと自身の作品や道具を売りに出しています。
和気あいあいとしていて圧倒されるのが半分と、楽しそうって言うのが半分でワクワクが止まりません!
「あちゃー、やっぱ皆何日か前に準備してるわよね」
「なんか久しぶりだな、リーナー」
「ええ、そうですね。何回かクレアさんとも一緒に来たことあるんですよ?」
「あったっけ?」
「ふふ、小さな時でしから」
「んで、どこで売り出すんだ?」
「こんな感じだし、ないわよ」
「ええ!?」
「本来はね。そこはコッチの師匠が場所を用意してくれたみたいよ。物凄い嫌な予感がするけどね」
クレアちゃんは浮かない顔で言い、紙を見ながら進んでいきます。
チラホラと視線が向けられているような?
しばらく……いえ、凄く歩いて辿り着いたのは統括会前にあるステージのような場所。
「あ、あれ?クレアちゃん、私たちの場所はどこですか?」
「アレよ」
指を指した場所はステージのような場所。とびきりの一等地でした。