421/991
新味
苦いのを覚悟して、一口。目をつぶり覚悟を決めて口に含むと、苦味はあれどそこまで強いものでは無く、むしろ花のような、果実のようなもう訳が分からない。
「????」
私の否定的じゃない顔をみて安心したのか、うっすら微笑んで燈火さんは言います。
「不思議でしょう。珈琲を作る段階で香り付けをしているんですって。だから紅茶の様な苦味しかなくってジュースみたいな味わいがあるでしょ」
「はい、とても変な感じです。悪くないですね」
「ええー、私はチョット。本当にチョットだけだよ?苦手かなーって……」
「いいのよ、白夜。好き嫌いはあっても良いの」