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そして、現在にもどる
師匠組を素早く手助けし後、自己紹介もする間もなく再び『転移』を使った。
使い切りの錬金物。
難易度は信じられないほど難しく、現存する『転移』は後この手に握られた一つだけ。
それを惜しみなく使って異次元の扉が開いた。
再び躊躇無く飛び込むと、合戦が行われていた。
「ママはこの先だ」
急がないといけない、けど、戦っている人達が居る。
すんなり行けるか怪しい。
もう一度、転移が使えれば……!!
焦る気の中で、不可視な何かと繋がった。
バッと上を見えば大きな黒と白のドラゴンが。ミルクショコラだ。そうか、今彼らと、彼らの魔力と繋がったんだ。
「感覚で分かる。あと1回なら………」
両手を前に突き出して、何も無い空間を無理やりこじ開ける感覚。
手応えがある。コレを開けば!
静かに、そして確かに、転移のゲートが開かれた。
ママのすぐ後ろ、たった数十メートルだからできた事だった。