徒人
その後直ぐにまた日本と言う僻地に行ってしまった為にミラクルとお留守番でした。
「どうして連れて行ってくれなかったのかな?私はダメな子?」
「そんな事ない。はぁ、何から言うべきか、何を伝えるべきか。全てを丸投げしおって……」
「ミラクル、1つ教えて。ママってただの人だよね。他の人たちは大きかったり小さかったりするけど、体内に何か光が見えたの。それが魔力だよね?」
「驚いた。魔力を可視化出来るのか。なんて高性能な。そうだ、他の奴らは魔力を持ってる。それもティアの周りは選りすぐりの者達ばかりじゃ」
「じゃあ、やっぱり」
「そう、ティアは正真正銘ただの人。今までの錬金術は鷲や、あヤツの師匠が遠隔、又は時限式でやってた事だ。良く考えればわかると思うが、適性がない。教えてくれる者も居ないで出来ることじゃないんだよ」
「でも皆はまるでティアが錬金術師みたいに言ってたよ」
「そりゃそうだ、錬金術の調合の仕草をすれば儂とミルクショコラ達がやっていたのだから。魔力をミルクショコラ任せ?違う違う、全てミルクショコラがやっておる。あヤツらこそ錬金術師だな」
「いつかバレちゃうのかな」
「バレたからどうということは無い。変わらんよ。結局持つべきものは持っていたからな」
「……それはなに?」
「圧倒的なカリスマだな。集団の指針となり、道標となる。ティアが何も持っていなくても結局儂やミルクショコラがこれまで通りに錬金術をする」
「ミラクルはなんでそこまでするの?」
「フッ、しれたこと。ティアが好きだから」
「私も好きっ!」
「結局はそういうことじゃな」