モノクルレシピ
「これとこれとこれ。あとはクレアちゃんの持ってきたあれがあれば……。クレアちゃん、レシピ見えます」
1度落ち着いて休憩がてら素材をモノクル越しに見ていると分かってくるものがあります。
師匠はモノクルなんてしていませんでしたから素でこういう世界が見えていたのかもしれませんね。
「へぇー、アンタにはそう見えるのね」
「どういう事でしょうか」
クレアちゃんが感心したように言いますが、まるで見えるものが違うみたいな言い方です。
気になって訪ねます。
「私には属性とレベル。それと関連?関係?共通?みたいなものが見えたもの。私でこれだけ分かるとなるとティアならひょっとしてと、思ったのよ」
「さ、さすがです!天才です!やっぱり頼りになるのは失踪野郎ではなく、クレアちゃんです!」
クレアちゃんは錬金術としての才は無いのに発想と、思考能力が飛び抜けています!
何にも教えてくれなかった師匠よりも断然役立ちます。
凄い、凄いと褒めてもクレアちゃんは、そっぽを向いてしまいます。
褒められるの嫌いなのでしょうか
「分かった、分かったから!もう、大袈裟なのよ……それで、出来そう?」
「任せてください!あのオッサンごと爆発できる物を錬金術で作ってやりますとも!」
私が宣言するとクレアちゃんに何故か引かれました。
「なら、私は一旦帰るわね」
「あら、そうなんですか。もっといてくれても良かったのに」
「邪魔になるだけよ、明日また来るわ」
「え、ええ。また」
さらっと別れの挨拶をしてそれぞれ家に帰っていきます。誰かの後ろ姿を見るのはやっぱり寂しいものがあります。
「1人はやっぱり寂しいですね」
「クォー?」
ミルクショコラは慰めるように私に頭を擦り付けてきます。
「ふふ、そうですね、私にはあなた達が居ますね。さて、頑張りましょう!」