白夜の生まれ
長い眠りについていた。
ここがどこだか分かんない。
この思考すら何か分からない。ただ、声が聞こえる。
男女の声。
「2ヶ月後です。すいません。って、俺が師匠だぞ!もっと、こう、俺を立てるとかさぁ」
「では、師匠を立てたらコレらは解決できるんですね、師匠は凄い人ですもんね。10人しかいない創成のうちの一人ですもんね。では、行ってらっしゃい」
「待て、待て、待て!薄情者!」
「あーもうっ、じゃあ、すぐ行きましょうよ!手伝いますから!」
どうやら夫婦か何か見たい。女が男をしりに敷いている。
面白かった。
暫く女はブツブツ言いながらも楽しそうだった。この頃から男の声が聞こえなくなった。
「また、捨てられたのかな……」
ポツリと聞こえた声は泣き出しそうな震え声だった。
君が悲しいと、私も悲しい。
慰めてあげたい。抱きしめてあげたい。
でも、叶わない。私は自分がなにか分からないのだから。
また、暫くすると今度は別の女の声が聞こえてきた。
「人になった!」
「アイツの弟子は素人か?」
驚いた声と、冷めきった声。
女をいじめるなら容赦しないぞ。
どこから湧くものか分からないものですごくイライラした。
その女はもう1人女を連れてきた。
ソイツも女をいじめるヤツだった。
けど、ソイツは寂しん坊なだけだったんだ。