縦横無尽
「ママっ!」
「……よし、ブレット、クレアちゃん!合わせて!」
「え、あ、ん?」
「ブレット、迷わない!ほら行く!」
「ああ、もう!知らん!」
「それでいいのよ!ティアの事なんて」
「白夜、持ってるわね?」
「勿論だよ、ママ!」
突如時空を歪めて飛び出してきたのはティアにそっくりで、穢れを知らぬ純白な少女。
私はニッと片方の口角があがる。
来た。出来た。私の最高傑作!
ミラクルが上手いことやってくれた!
ミルクショコラが時空移動する時の魔法をそのまま使って駆けつけたのは、ティア・白夜・シャドール。
私の娘 (ホムンクルス)です。
それをそうとは知らずに、私をママと呼ぶ白夜に目を白黒させる一同ですが、大袈裟すぎますね。
白夜の手を引いて、走り出します。そして、ブレットとクレアちゃんに付いてくれるよう呼びかけます。
ブレットは整理しようとフリーズしてしまって使い物にならなくなる所、クレアちゃんがパシンッと頭をはたいて、背中を蹴り上げて無理やり動かしてくれました。
その様子を見て安心します。そして、最後の錬金物をポーチに手を突っ込んで確認します。
「さぁ、終わらせるよ!」
「うん、ママ!」
「おう!」
「後で説明だからね!!」