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証拠と水晶
「……弱い」
「ララナディアさんカッコイイ」
「ララナディアさんお強い」
門番気取りのバフォームは白目を向いて死んだ虫のように転がった。
精霊の導き通り部屋に入ると、如何にもな水晶が置いてある。
「これ、ついでに壊しちゃうか」
「資料!」
「帳簿!」
「パソコンから全データとる!」
「少し時間かかる!」
「そう、まあ。大丈夫でしょうけど一応見張っておくわ。終わったら言ってちょうだい」
「アーシェ分かった」
「ラーシェ分かった」
「「あっ!!」」
「な、なにっ!?」
「「水晶割れた」」
「……触った?」
ブンブンと首を横に振る2人。
タラタラと嫌な汗が背中を流れる。
「えっと、あとどれ位?」
「早くて10分」
「紙だけだと不十分」
「上が騒がしいけど、大丈夫よね……」