回想9
「そうこうしている内に追い付きましたね。本当にいましたね」
「ざっと30でしょうか。少し厳しいですかね」
「そうですね、機動力が乏しいとはいえ守りはこちらが上です。ちょっかいをかけつつ逃げ回りましょう」
「散開しますか?」
「いえ、ハグれないように。正面衝突が望ましいですが、囲まれた場合は円形の布陣に移ってください」
「なら、先制は私がやろう。『大いなる自然は怒り、ソナタは具現化せん。電雷線』」
燈火の放つ波紋上の雷は瞬く間に陰陽師達を痺れさせた。警戒の外からの電撃に対応出来た物は少なかった。
全体攻撃と言うこともあってそこまでの威力ではなかったが、怯ませるには十分であった。
「ルンさん、なにかハッタリかましてください」
「ええっ!?きゅ、急に!?えーと、えーとっ!」
「我が名は白の魔法使いである。此度の所業は許し難いものがあります。ここに!魔法使い統括会が権限により、陰陽師並びに陰陽局を執行いたします!……お覚悟を」
「な、なぜ貴様が!!」
「何をのびている!サッサと反撃せんか!」
「1人も逃すな!ここには何者も居なかった!いいな!」
「う、うわぁ……見事な悪役ゼリフですね」
「では作戦開始」
「おうよ!」