VS青龍6
「この魂の経路の糸ですね、火属性の蜘蛛の糸と、満月の雫と雪星の晶石、あとはインゴットを複数の種類ですね。あ、魔力値が足りる様に他の素材とかも入れますけどね」
「ティア様の独自の錬金物になるのでしょうか」
「えー、分かんないです。師匠が残してくれたレシピなんてたかが知れてましたし……」
「凄い、凄いです!そんなものまで作れるなんて!」
「あの!中和剤とか入れないんですか!?授業ではどんな錬金物にも使用するって言われてきたんです」
「そういえばそうですよね」
「えっと、中和剤の作り方知らないの」
「えええっ!!?それなのにこんな高度な物を……流石としか」
「ねぇ!!お喋りしてる暇さ、無いんだけど!!?」
「ああ、すいません。『氷の鈴蘭』!」
「わっ!」
「ティアさん!合図とかしてくれませんか!!?私まで氷漬けッスよ!?」
「なってないのでOKです!ミルクショコラ!」
「クレア」
「分かってる!」
「『血に眠る起源よ、目覚めの時だ』限定解除!!」
「な、なんですかその魔法」
「へっ、起源の魔法だよ」
「バフォーム家は特殊なのよ」
「ああ、もしかして」
「力、だ」
起源の魔法を限定的とはいえ使用したブレットは凄かった。
杖を大剣に変化させ、中々の距離が空いている中で、振り下ろすと、赤の奔流が一直線に青龍へ向かった。
大地を削り取る圧力。
青龍は一部が氷の鈴蘭によって凍っていて、動きが鈍く、躱し切るには至らなかった。
赤の奔流が青龍に当たり霧散した。
と、同時に物凄い勢いで迫り来る青龍。
「あ、終わった」
後ろの誰かがそう呟いたが、それも無理は無いと思う。
しかし、この場にはもう1人起源の魔法を使える人がいる。
ミホさんが皆を、1時後退させて無傷で済んだ。
「押さえつけてみるわ」
クレアちゃんがオーケストラの指揮を執る様につえを構えます。
突如として突風が吹き荒れ、形の無い風が形を帯びる。
風の手の発動です。