マリー3
空の色が赤い。
裏世界は荒野が多いのに、この裏世界はひとつの街並みでした。
ただ表と違うのは、教科書に出てくるような古さを感じる事。
「えっと、マリーさんでしたっけ?」
「え、あ、はい」
ブレットさんが警戒をしてくれるおかげで特に緊張すること無く進んでいきます。
被害者面のアルトリアさんが話しかけてくれました。
気さくな方なのでしょうか。
良い人とは嫌われないよう、近付き過ぎないようにしなないと。
「マリーさんの目的ってなに?私は、私達は元々ティアを攻撃したこともあった……って、待って待って!理由を聞きなさいよ!」
おっと、思わず拳を握り振り上げて後は当てるだけの状態になってしまっていました。
この人も紆余曲折あったのでしょう。
「魔法に全てを狂わされた。聞いてるわ、錬金術師の扱いを。ねぇ、全員殺してやりたいと思ったことは無かった?」
「それは……」
考えた事はあった。
俯いて、答えを探す。
みんなの足が止まった。
いつの間にか全員が私の答えを待っていた。
良い子な回答をすれば良い。
「無い……ことも無いですよ。すれ違えば無能と蔑ずまれ、合同の授業があれは鼻で笑われました。恨まない理由は無い。でも力もない。後ろ盾も、帰る場所も何も無い私は耐えるしかない」
「そう。ならラッキーだったわね」
「え?」
「全て塗り替える土台はティアって化け物が作ってくれるわよ」
「ば、ばけもの〜!?」
「間違ってないわよ、ティア?」
「ええ……」
「後は自分次第。だから諦めたような目をしないで」