知ってる世界、知らない世界
「わっ、ここ本当に裏世界?」
クレアちゃんは目の前の光景に唖然としています。
彼女が今まで聞いて、知ってる物とは別で、本質は同じもの。
視点が違えば見えるものは違うものです。
「そうですよ。綺麗ですよね」
「私の知ってる場所じゃない……」
「クレアちゃんの知ってる場所はどんなでした?」
「岩と、ナニカの骨ばっかの場所で常に曇り空」
周りをみて、信じられないと言った顔でそう言いました。
常識があったのでしょう。
それは固定観念にしか過ぎないのです。
「快晴です!」
私の目にはカラッと晴れ渡る青い空!
陽射しは暖かく、心地よいです。
あんまりコッチには来ませんけれど、いい場所だと思っています。
「そうね、信じられないけれど」
「ここから先は行ったことないので知りませんけど」
師匠は未熟だなんだのと言って、ふむ場所全て浄化して、常に結界みたいなものを展開させてましたね。
うん、過保護でしたね。
やっぱり、一言も無しに居なくなったことは理由があるんでしょうか。
こっちの空も師匠は見ていますか?
「ちょっ、大丈夫でしょうね?」
「いやー、どうなんでしょう」
ここは私の遊び場にもなっていましたから、この先は知らないです。
危なくなっても私は1人じゃありません。
私と違ってクレアちゃんは警戒心MAXみたいですけどね。杖を握って、ナニカの石を左手に持っています。
魔法の道具ですかね、気になりますね。
「魔物とかは、一見いなそうね。少し進んでみましょうか。火属性の素材が近くにあればいいけど」
「ミルクショコラ!行こう!」
「クォーッ!」
ミルク、ショコラに声をかければショコラだけ返事してくれます。ミルクはコクコク頷いています。
可愛い!
「ティア、アンタ杖くらい出しときなさいって。何も出来なくても、何か起こることはあるんだから」
ミルクショコラを見て惚けていたらクレアちゃんが叱咤してきます。
危ない、危ない。ここは、命を賭す場所、裏世界でした。